ADAPTATION DESIGN

東京藝術大学の大学院生と武蔵野美術大学の教務補助の二足の草鞋を履く男のブログ

「Hydrangea」

No.39 ドライフラワーで紹介するお花シリーズ。第1回は「Hydrangea(紫陽花)」です。

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 「Hydrangea」は和名「紫陽花(アジサイ)」と言います。Hydrangeaはギリシャ語の「hydro(水)+ageion(器)」から由来しています。和名の「アジサイ」は「あづ(集まる)+さあい(青い花)」の2つが繋がり、「あづさあい」が変化し「アジサイ」なったと言われて言われていますが、諸説あるそうです。また、フランス語や英語、一部のヨーロッパの言語では「Hortensia(ホルテンシア)」と呼ばれることがあり、それは植物学者のPhilibert Commerson(1727-1773)とEan-Baptiste Pierre Antoine de Monet(1744-1829)が「Hortensia oploides」と命名したことが由来しています。

 アジサイは大きく分けると、日本古来からあるガクアジサイ(額紫陽花)とそれが中国を経由し西洋に渡り品種改良されたセイヨウアジサイ(西洋紫陽花)という2種類に分類できます。アジサイは世界中で栽培しており、3000品種以上が存在しているので、その中でもいくつか有名な種類を紹介したいと思います。

 

「ガクアジサイ(Hydrangea macrophylla)」は日本に広く自生しており、花序は多数の両性花を中心として、装飾花が周りを縁取るように咲いておりその様子は「額咲き」と呼ばれています。またガクアジサイの花序が球形ですべて装飾花となった様子は「手まり咲き」という愛称に変化します。装飾花の色は土壌の酸度(ph)によって変化し「酸性ならば青、アルカリ性ならば赤」と言われています。変種として花序のほとんどが装飾花になるアジサイ(ホンアジサイ)があり一般的にこちらがセイヨウアジサイとされています。種小名のmacrophyllaはラテン語の「macro(大きい)+phyllus(葉)」が由来しており、その名の通り濃緑色で光沢のある非常に分厚く大きな葉を付けます。

 

「ヤマアジサイ( Hydrangea serrata)」は時にサワアジサイと呼ばれることもあります。関東より西、四国や九州などの山地に分布します。ガクアジサイに比べ、花の色の多様性に富んでおり白や薄紅色や青色などが存在します。花序の直径が7~18センチで、長楕円形の薄い葉はあまり光沢がなく小さいのが特徴です。種小名のラテン語の「serratus(鋸歯のある)」が由来しています。

 

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アジサイのドライフラワーは簡単でとてもきれいなのですごくお勧めです。装飾花の色を綺麗に残すために湿度管理をし、ゆっくりと乾燥させました。ドライフラワーは個人的に生と死の境目を表現したとても奥深い表現だと捉えています。またこの辺については言及していきたいと思います。今回は青色の紫陽花ばかり採集したので次は赤味のあるアジサイにも挑戦してみたいです。