ADAPTATION DESIGN

東京藝術大学の大学院生と武蔵野美術大学の教務補助の二足の草鞋を履く男のブログ

HOMOLYRIC 「椅子」

重い空気を引き裂くように差し込む朝日が眩しい。脚元の杉の床が呼応するように光を吸い微かに軋めき合う。割れた窓ガラスからは木枯らしが吹き込み、巻き上げた埃がゆっくりと私に降り積もる。既に身体の半分を蝕むカロライナジャスミンの存在を特に否定す…

HOMOLYRIC 「理」

少年はなんとなくそこにいた虫を踏んだ。それは感触の伴わない命のやりとりだった。足をどけた先にポツリと残った骸に少年は少しばかりの罪悪と快楽を感じたが、それは刹那であった。変化のない死骸に興味を失い、少年は次の快楽を求めてそそくさと立ち去っ…

HOMOLYRIC 「驕り」

待てども待てども来ない来る気配を微塵も感じないどれくらい待っただろうか時間が刻々と過ぎてゆく 絶対に来るはずなのだ来ないとおかしいそう、来ないとおかしい来るまで待つがもう我慢の限界は近い もういい加減にして欲しいなぜ来ないんだ何が起きたとい…

HOMOLYRIC 「風」

「地下の車窓から冷たいコンクリート見ると反射した車内の温風は光の塊に顔を吸われ小さな箱の無限に夢を定義される止まった鉄の塊は我慢していた息を深々と吐き風達は飼い慣らされた羊のように進みだす斜陽に立ちながら得たものを数えその儚さに無力さとほ…

Column 「Ready Player Oneは理想の世界?」

暇があれば本を読むか映画を見るかしようと心がけています。まだぼーっとしている時間や生産性のない時間も多く、限られた学生生活を無駄にしないように活動していきたい訳ですが、たまには脳内ドーパミンがドバドバに溢れるようなものも見たくなり、何も考…

「Zamia furfuracea」

No.65 丸い葉が特徴的な生きた化石です。 「Zamia furfuracea」ザミア フルフラセアです。またの名をヒロハザミアといいます。和名はメキシコソテツです。 Zamiaはソテツ科の裸子植物です。Zamiaはラテン語の「a zaniae(松毯)」から由来しています。葉は羽状…

「Eucalyptus tetragona」

No.64 四角い実がかなり特徴的です。 「Eucalyptus tetragona」ユーカリプタス テトラゴナです。 Eucalyptusはフトモモ科ユーカリ属の常緑高木です。学名Eucalyptusはラテン語の「eu-(良く)+ kalyptós(〜で覆った)」から由来しています。これは蕾の萼が花弁…

「 Protea repens」

No.63 アフリカのお花の力強さに憧れます。 「 Protea repens」プロテア レペンスです。 「Protea」プロテアはヤマモガシ目ヤマモガシ科の中の一つの属です。またの名をSuikerbosやSugarbushesと呼ぶこともあります。Proteaという名前は1735年に現在の二元型…

「Banksia speciosa」

No.62 葉がすごく特徴的なお花です。 「Banksia speciosa」バンクシア スペシオーサです。 Banksiaはヤマモガシ目ヤマモガシ科の植物でオーストラリア原産です。匍匐性の低木から25mの高さの高木まで様々な形があります。Banksiaの葉は種によって大きく異な…

「Operculicarya pachypus」

No.61 塊根植物の中の王様です。 「Operculicarya pachypus」オペルクリカリア パプキスです。 Operculicarya pachypusはウルシ科オペルカリア属のマダガスカル南西部原産の植物です。樹高は2-5mまで成長し、幹は大きく樽状に円錐形に折れ曲がり樹皮は銀白…

「Adenia globosa」

No.60 やっと手に入れました! 「Adenia globosa」アデニア グロボーサです。 Adeniaはアラビア語の「aden(腺)+-ia」、属の作者であるPeterForsskålの植物のアラビア語名(アデンピーター・フォースカル)が由来とされています。熱帯アフリカや東南アジアが…

「Aloe saponaria」

No.58 葉に白い斑があるのが特徴です。 「Aloe saponaria」アロエ サポナリア。またの名前をシャボンアロエともいいます。和名では「明鱗錦」といいます。 Aloeはユリ科アロエ属のことをいい、熱帯地域やアフリカ南部、中近東が原産の多肉植物です。Aloeとい…

Portfolio 003

No.56「NEGRO」です。ASIA AWARDでSEMI GRAND PRIXを頂きました。 木製のアームチェアはその歴史から見ても無骨で鈍重なものが多くそこに疑問を持っていました。しかし、木材という素材では構造や形状に限界があり、繊細で軽量なアームチェアは制作されてき…

Portfolio 002

No.55「新しい素材」を探して作った椅子です。NYのICFFで展示をしました。 「BLANCO」曲げベニヤとガラスクロスの二次成型合板。3つの脚で構成されていてそれぞれが天板で固定されており、脚同士でのジョイントは一切ない。白いガラスクロスを使ったスペイン…

「Euphorbia mammillaris」

No.54 神々しい姿のユーフォルビアです。 「Euphorbia mammillaris」ユーフォルビア マミラリスです。和名は「白樺麒麟」や「ミルクトロン」といいます。 Euphorbiaはトウダイクサ科トウダイクサ属の植物です。学名Euphorbiaはギリシャ人医者のEuphorbosに由…

Portfolio 001

No.53 私が過去に作った作品紹介です。今回は大学を卒業する際に作った卒業制作を記事にします。 私の卒業制作はデザインをすることについて考えることから始まった。大学にはモノをデザインできる人になる為に入った訳だが、多くのモノに触れてきて、このモ…

Creation 004

No.52 鉢植えを作りました。ADAPTATION DESIGNの鉢植えを国産ヒノキの合板で作ってみました。作りはすごく単純ですが合板に浸透性のクリアラッカーを何度も染み込ませる事で表面に光沢を持たせました。この方法は店舗の什器などで良く使用されますが、自分で…

「Cissus tuberosa」

No.51 ブドウ科の蔓が特徴的な塊根植物です。 「Cissus tuberosa」シッサス ツベローサです。以前はCissus mexicanaという名前で呼ばれていました。 Cissusはブドウ科セイシカズラ属の常緑性多年生のつる性植物で熱帯から温帯地域に生息していて約300種が見…

Cultivation:「GARLIC 002」

No.49 先日植えたホームタマネギが萌芽を出しました。前回の記事はこちらです。 adaptation-design.hatenablog.com 毎日観察していたのですが、気が付いたら50㎜くらいまで成長していて驚きました。前回の記事でタマネギは温度や光によってその成長の仕方を…

「Tillandsia stricta」

No.48 同じ種類の中でも特に細かい分類分けが多くありその見分け方が難しい種類のエアプランツです。 「Tillandsia stricta」チランジア ストリクタです。またの名をCotton Candyとも言います。 Tillandsiaはパイナップル科の中の属名です。スウェーデンの植…

Introduction:「予備校編 001」

No.45 前回の記事はこちらです。先に読むのがおすすめです。 adaptation-design.hatenablog.com そんなこんなあって得意なこともなければ、不得意なこともない器用貧乏ど真ん中な人間に成長した私は、進学校にイマイチなりきれない高校に入学し理系を選択す…

「Mimosa pudica」

No.44 触ると葉を順番に閉じていく姿が有名な植物です。 「Mimosa pudica」ミモサ プディカです。和名は「オジギソウ」で、ミモザとも呼ばれます。 Mimosa pudicaはマメ科オジギソウ属の多年草のことをいいます。ラテン語「mime(模倣者)+osa(接尾辞)」から由…

Introduction:「読者100人突破!」

No.43 ブログを始めて早いものであっという間に2ヶ月近くの歳月が過ぎていまして、暇つぶし程度に始めたブログがこんなに続くなんて思ってもいませんでした。購読していただいてる読者の皆様には感謝しかありません。今後も読み応えのある記事を書けるように…

「Leucospermum cordifolium」

No.42 花被から伸びる長い雄しべがとても特徴的な花です。 「Leucospermum cordifolium」レウコスペルマム コーディフォリウムは英名「Pincushion flower」、原産地のアフリカでは「bobbejaanklou」と呼ばれています。日本では英名のピンクッションが馴染み…

「Protea robyn」

No.41 ドライフラワーの中では割と定番なお花、プロテアの紹介になります。 「Protea」プロテアはヤマモガシ目ヤマモガシ科の中の一つの属です。またの名をSuikerbosやSugarbushesと呼ぶこともあります。Proteaという名前は1735年に現在の二元型命名法を公式…

Cultivation 「GARLIC 001」

No.40 実家に植えた青森産のニンニクと玉ねぎが余ったので家でも育ててみようと思います。今ぐらいの時期に植えると来年の6月ごろに収穫だそうです。 「Allium sativum(ニンニク)」はヒガンバナ科ネギ属の多年草で、元々はユリ科に属していました。英語「…

「Hydrangea」

No.39 ドライフラワーで紹介するお花シリーズ。第1回は「Hydrangea(紫陽花)」です。 「Hydrangea」は和名「紫陽花(アジサイ)」と言います。Hydrangeaはギリシャ語の「hydro(水)+ageion(器)」から由来しています。和名の「アジサイ」は「あづ(集まる…

「Pterodiscus speciosus」

No.38 ゴマ科の塊根植物です。 「Pterodiscus speciosus」プテロディスクス・スペシオーサスです。和名を「古城」といいます。

Monologue: 「現代人の甘い認識」

No.37 前回、人類の繁栄が植物の奴隷になった事で達成できた事を書きましたが、ここでは「家畜化」に焦点を当て話を展開していきます。前回の記事はこちらです。 adaptation-design.hatenablog.com 基本的に人間が植物の奴隷であるという考え方は植物視点か…

Creation 003

No.35また新たな素材実験をしてみました。 今回は過去最大の大きさです。大きなものでも制作できるのか確かめたくて400*400*400のオブジェにしてみました。大きなものになるほど制作難易度があがるので少し型の方に工夫がいるというのが分かりました。また、…