HOMOLYRIC 「理」
少年はなんとなくそこにいた虫を踏んだ。
それは感触の伴わない命のやりとりだった。
足をどけた先にポツリと残った骸に少年は少しばかりの罪悪と快楽を感じたが、それは刹那であった。
変化のない死骸に興味を失い、少年は次の快楽を求めてそそくさと立ち去っていった。
潰れた虫はしばらく孤独を味わった後、蟻たちによって運ばれ私の前からいなくなった。
言い得ない喪失感ともどかしい感情が心の奥の方で湧き起こったが、それもまた刹那であった。
少年はなんとなくそこにいた虫を踏んだ。
それは感触の伴わない命のやりとりだった。
足をどけた先にポツリと残った骸に少年は少しばかりの罪悪と快楽を感じたが、それは刹那であった。
変化のない死骸に興味を失い、少年は次の快楽を求めてそそくさと立ち去っていった。
潰れた虫はしばらく孤独を味わった後、蟻たちによって運ばれ私の前からいなくなった。
言い得ない喪失感ともどかしい感情が心の奥の方で湧き起こったが、それもまた刹那であった。