ADAPTATION DESIGN

東京藝術大学の大学院生と武蔵野美術大学の教務補助の二足の草鞋を履く男のブログ

「 Protea repens」

No.63 アフリカのお花の力強さに憧れます。

 

f:id:takuto-interior:20181009095836j:image

 

「 Protea repens」プロテア レペンスです。

 

「Protea」プロテアはヤマモガシ目ヤマモガシ科の中の一つの属です。またの名をSuikerbosやSugarbushesと呼ぶこともあります。Proteaという名前は1735年に現在の二元型命名法を公式化したCarl Linnaeus(1707-1778)によってギリシャ神「Proteus」にちなんで命名されました。Proteas属の中のProteaceaeは被子植物の中でも古代から存在するもので、花粉化石によると7500-8000万年前の上白亜紀のゴンドアナに祖先が生育していたとされています。主にアフリカやオーストラリアの南部に分布していると言われていますが、種の92%が南アフリカの世界遺産「ケープ植物相地域」でのみ自生しています。現在は世界中で栽培されていますが、その栽培方法は難しく種から開花まで5年以上かかることから、一般的な花屋で見かけるプロテア種は少し割高になっています。

 

f:id:takuto-interior:20181009095844j:image 

 

 Protea repensは南アフリカ南部原産で平野や1500mの山の斜面にまで粘土から砂まで幅広い土壌に耐性があります。Protea repensの種小名repensはラテン語の「匍匐する、隠れる」から由来しています。これは元々 Protea repensは「Protea mellifera」と同じ種類として扱われてきた過去があり、後に見つかった種類ということで「隠れた」という名前が付けられました。また「Protea sugarbush」と呼ばれることもあり、花の中に豊富な蜜を有していることからsugarbushという名前が付けられています。この蜜は19世紀に咳などに効く薬として使用されていました。

 

プロテアには色々な種類があり、その全てを知ることは難しいです。いつかアフリカのカープには行ってみたいと思ってます。

 

「Banksia speciosa」

No.62 葉がすごく特徴的なお花です。

 

f:id:takuto-interior:20181009094859j:image

 

「Banksia speciosa」バンクシア スペシオーサです。

 

Banksiaはヤマモガシ目ヤマモガシ科の植物でオーストラリア原産です。匍匐性の低木から25mの高さの高木まで様々な形があります。Banksiaの葉は種によって大きく異なります。また大きな特徴として穂状花序の柔毛質のブラシのような花序と花の後に結実する果実があります。Banksiaは植物学者Joseph Banks(1743-1820)の名にちなんで名付けられました。

 

Banksia speciosaは西オーストラリア沿岸の灌木地に生息しており、水はけのよい土壌を好む。。灰色の樹皮を持つ幹は高さ8mにも達することがある高木で、三角形のギザギザな薄い葉がかなり特徴的な単一茎植物です。黄色がかったクリーム色の円筒形の花はスパイクと呼ばれ、小さな花で円錐形の花序を形成します。蕾ができてから開花するまでに数か月もかかります。花が乾き、朽ちたのちに袋果と呼ばれる果実が現れます。しかし堅い木質の果実が口を開くのは山火事にあった時という変わった特性があります。それはオーストラリアでは油分を多く含むユーカリが自然発火することがあり、山火事によって自分の種を絶やさないようにうまく設計されています。ちなみにユーカリも山火事の後に自身を発芽させる能力があります。

 

f:id:takuto-interior:20181009094909j:image

 

花序と種子のギャップがすごくあるのが好きなお花です。ワイルドフラワーにふさわしい大きさと形状をしており、そのオーストラリアに適応するために備わった能力にうっとりとします。ドライフラワーにとても適しており、その存在感は部屋のアクセントとしてとても優秀だと思います。

「Operculicarya pachypus」

No.61 塊根植物の中の王様です。

f:id:takuto-interior:20181008095055j:image

 「Operculicarya pachypus」オペルクリカリア パプキスです。

 

Operculicarya pachypusはウルシ科オペルカリア属のマダガスカル南西部原産の植物です。樹高は2-5mまで成長し、幹は大きく樽状に円錐形に折れ曲がり樹皮は銀白色で極端な凹凸があります。枝は淡灰色から灰褐色でジグザグに折れ曲がり成長します。葉は奇数羽状複葉で小さな艶のある葉を細かく枝に沿うようにつけます。雄雌異株なので雄株、雌株がないと結実しません。花は黄緑色の2mmほどの小さなものです。ワシントン条約Ⅱ類に指定され採取が禁止されています。

f:id:takuto-interior:20181008095105j:imagef:id:takuto-interior:20181008095108j:image

ついに出会ってしまいました。ヤフオクにてタイミングが良く落札をしましたが、届いたものは少し弱っている様子なので、越冬に加えて少しづつ立ち直らせられればと思います。高価で希少な種類のため調べられることは調べて大切に育てていきたいと思います。

「Adenia globosa」

No.60 やっと手に入れました!

 

「Adenia globosa」アデニア グロボーサです。

f:id:takuto-interior:20181005150642j:image

f:id:takuto-interior:20181005150646j:image

 

Adeniaはアラビア語の「aden(腺)+-ia」、属の作者であるPeterForsskålの植物のアラビア語名(アデンピーター・フォースカル)が由来とされています。熱帯アフリカや東南アジアが原産の多年草です。種類によって低木や樹木、ハーブ等の多くの異なる形態があり、その中でも多肉植物が多いです。

 

Adenia globosaはアフリカ東部の沿岸地域が原産のゴツゴツしたイボのような突起がある緑色の表皮が特徴の塊根植物です。種小名globosaはラテン語で「球状の」から由来しています。太く育つ塊根は原産地では直径1mまで成長することもあり、そこから伸びる枝には大きな棘がありこちらも長く成長します。葉はあまりつけないことでも有名です。また、花は緑がかったクリーム色をしています。雌雄異株なので雄株、雌株がないと結実することはありません。

 

f:id:takuto-interior:20181005150651j:image

 

欲しいリストの上の方にいたアデニア グロボーサをついにゲットしました。マニアからも人気が高いこの種は塊根の中でも異彩を放っている種で、その見た目は静脈の伸びた心臓のようです。これから断水の時期になりますが、あまり水を断つ塊根部が凹むため少しずつ様子を見ながら、晴れた日を狙って水を与えて行こうと思います。

 

「Aloe saponaria」

No.58 葉に白い斑があるのが特徴です。

「Aloe saponaria」アロエ サポナリア。またの名前をシャボンアロエともいいます。和名では「明鱗錦」といいます。

f:id:takuto-interior:20181002094717j:image

 

Aloeはユリ科アロエ属のことをいい、熱帯地域やアフリカ南部、中近東が原産の多肉植物です。Aloeという名前はアラビア語の「alloeh(苦味のある)」から由来しています。アロエ種の多くは大きく先が尖っている肉厚な葉がロゼット状に展開していて、ほとんどの葉の縁に棘を有しています。また、花は管状の黄、ピンク、赤色などさまざまあり花茎を伸ばし円錐状の花をつけます。

 

Aloe saponariaはアフリカ原産の種類で、軽く反りのある厚い葉は三角に尖って伸びます。葉の表面には白い斑が入り、その縁には短い棘が生えています。春には1mほどの花茎を伸ばし、その先端にオレンジ色の円筒形の花を総状花序でつけていきます。葉の中に含まれる液体が水と合わせると泡立つことから昔は石鹸としても使用されていました。そのことから種小名saponariaはラテン語の「sapo(石鹸)+aria(葉っぱ)」から由来しています。

 

f:id:takuto-interior:20181002094725j:image

 

アロエと言えば子供の頃にやけどしたら果肉を巻けば治ると言われるくらい身近にある植物という記憶があります。実際、街を歩いているといろいろな軒先にアロエがありますが、その姿は野性的でその生命力の強さにほれぼれします。乾燥や寒さに強く、外に出しておけば勝手に成長していきます。強い日光を好み夏の間はたっぷり水をあげることでよく成長します。逆に冬は水をほとんど与えないことで強くしっかりとしたアロエに育てることができます。また増やすことも簡単な手のかからない優秀な植物です。

 

Portfolio 003

No.56「NEGRO」です。ASIA AWARDでSEMI GRAND PRIXを頂きました。

 

木製のアームチェアはその歴史から見ても無骨で鈍重なものが多くそこに疑問を持っていました。しかし、木材という素材では構造や形状に限界があり、繊細で軽量なアームチェアは制作されてきませんでした。そこで私は無垢の木材にカーボンファイバーを挟む合板を提案しました。このことにより木材ではカバーできなかった方向の力のモーメントに対しても対応できるようになり、より細く、従来の木材よりもはるかに頑丈で軽いパーツを作り出すことができるようになりました。また、従来の木製の椅子の歴史の中で、木の節を使用した椅子は存在しませんでした。なぜなら、節は木材の中でも密度や水分含有量が違うためクラックや反りの原因になってしまうからです。しかし、この合板ではカーボンとエポキシ樹脂により木材が矯正されているためそのような心配はありません。また節がテクスチャーとして椅子の表面に現れることも新しい発見でした。木造建築の梁や、より繊細な表現の際に使用されることを願って制作した作品です。

f:id:takuto-interior:20180927091755j:plain

 

他のPortfolioはこちらです。

adaptation-design.hatenablog.com

Portfolio 002

No.55「新しい素材」を探して作った椅子です。NYのICFFで展示をしました。

「BLANCO」
曲げベニヤとガラスクロスの二次成型合板。
3つの脚で構成されていてそれぞれが天板で固定されており、脚同士でのジョイントは一切ない。白いガラスクロスを使ったスペイン語で「白」の意味の「BLANCO」という名前にした。

f:id:takuto-interior:20180925090322j:plain



 

「Peeping Stool」
ガラスクロスやカーボンファイバーでは厚みを出すのが難しいために普段は断熱や防音材として用いられるグラスウールというガラス繊維でできた綿を10分の一まで圧縮して樹脂で固めた合板。

f:id:takuto-interior:20181002100030j:plain

 

「Marble Stool ?」
Peeping Stoolで使ったグラスウールを表に出したもの。樹脂やグラスウールの量で色の濃淡が作り出すことができる。素材が綿なので布では難しい3次元のテクスチャーを面に与えることができる。

f:id:takuto-interior:20180925090408j:plain

 

f:id:takuto-interior:20180925090934j:plain

 

 

他のPortfolioはこちらです。

adaptation-design.hatenablog.com