ADAPTATION DESIGN

東京藝術大学の大学院生と武蔵野美術大学の教務補助の二足の草鞋を履く男のブログ

「Mimosa pudica」

No.44 触ると葉を順番に閉じていく姿が有名な植物です。

 

「Mimosa pudica」ミモサ プディカです。和名は「オジギソウ」で、ミモザとも呼ばれます。

 

f:id:takuto-interior:20180912113734j:image

 

 Mimosa pudicaはマメ科オジギソウ属の多年草のことをいいます。ラテン語「mime(模倣者)+osa(接尾辞)」から由来しており、古代ギリシャのmimos(ミモス)という他人を真似する劇から来ています。パントマイムはこのmimeから派生したものです。種小名pudicaはラテン語で「内気な」という意味があります。熱帯および亜熱帯地域に生息し世界中に存在します。茎は木質化しており棘があります。葉は偶数2回羽状複葉で、接触や熱、風、振動の刺激に対し接触した部分もしくは葉の先端から1対づつ閉じます。この一連の動作は細胞内の膨圧を変動させることで行われており、似たような運動で夜間になると閉じる就眠運動があります。こちらの動画をご覧ください。

 


Mimosa Pudica - The Sensitive Plant

 

前から欲しかった植物の一つです。なぜなら数年前から植物には「記憶力」があるのではないかと言われており、オジギソウが見せるこの反応の実験で植物の記憶能力が確認された結果があり、とても気になっていました。その実験とは、ある一定の固有振動の刺激を反復して与え続けるというものです。オジギソウは繰り返される刺激に対してしだいに葉を閉じなくなり、その後40日間はその刺激に反応を見せなかったそうです。そしてそれは他の刺激に対しては一切適用されないことから前の刺激を記憶し区別していることが分かります。オジギソウは環境を理解し生きていく上で自分への負担を減らしていたことになります。植物には脳がないと言われていますが、この記憶力はほとんどの昆虫に記憶持続時間よりもはるかに長く、高等動物に匹敵します。まだどのような方法で記憶しているかは解明されていません。

 

www.arkopharma.com

 

植物の持つポテンシャルと可能性は多様性の数だけあると考えています。機能を「拡散」することで植物が得た適応能力から人間は学ばなければいけないことが多く、私たちはより深く感じとり応用する必要があります。今まで私は外部の刺激に対し逃げることができない植物はその状況に対してただ耐えているだけだと思っていましたが、実はその環境で起きる刺激を記憶し、早い周期で巡る命のサイクルの中で受け継ぎ適応していたと知りました。家でオジギソウを眺めているとその能力の高さと美しさにほれぼれとします。少しの刺激に対し過敏に反応する私のオジギソウはどこか名前の通り「内気さ」にあふれた可愛さがあります。