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東京藝術大学の大学院生と武蔵野美術大学の教務補助の二足の草鞋を履く男のブログ

「Cycas revoluta」

No.25 日本人には馴染みの深い植物だと思います。

 

「Cycas revoluta」サイカス レボルタです。和名は「蘇鉄(ソテツ)」と言います。

 

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 CycasはCycadaceaeに属する裸子植物の常緑低木です。Theophrastus(C371-C287 BC)が発見したとされ、属名はエジプト産のドームヤシを意味するギリシャ語の「koikas」が、後に「kykas」と書き間違えられたものに由来すると言われています。約113種類が発見されていて、ジュラ紀や白亜期から存在しているため「生きた化石」と呼ばれることもあります。

 

Cycas revolutaの種小名revolutaはラテン語の「revolutus (外旋した,反巻した)」が由来しており、葉の反り返った様子を形容したものといわれています。和名の「蘇鉄」は枯れかかったときに鉄クギを打ち込むとよみがえるという伝承に由来します。この種は日本の南部から中国南部に自生していて、高さは3~5mほどまで成長します。雄雌異株でそれぞれ球状の花と縦に伸びたタイプの花を夏に咲かせます。雌花は大胞子葉の集合体でそれぞれ胞子葉の下部に胚珠が付きます。それが秋から冬にかけて成熟し、赤色の種子に変化します。1904年ごろに奄美・沖縄地方で起きた沖縄明治大干魃では、飢饉の際に急荒食としてデンプンを豊富に含んでいる蘇鉄を食べたという記録があるが、蘇鉄には有毒物質で発癌性のあるアゾキシメタンを含む蘇鉄特有のサイカシンという毒を全体に有しているため、下処理を施さずに食べた人たちは次々と食中毒に見舞われました。その当時、沖縄で起きた経済恐慌を「ソテツ地獄」と呼びます。また中国ではまれに漢方薬として使用されることがあります。

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日本ではなじみのある蘇鉄ですが、小さいものだとその印象はぐっと変わります。1億年以上前から存在しているとも言われ、非常にタフな種類で沿岸部に自生していることも多く、寒さや乾燥、塩にも耐えることができます。盆栽として育てていきたいので、大きくならないように小さくまとまった状態を保てたらと思います。