ADAPTATION DESIGN

僕の提唱する「ADAPTATION DESIGN」に肉付けするための教養のブログ。という趣味を全面的に肯定するために始めたただの暇つぶし

Introduction:「予備校編 002」

No.46 前回の記事はこちらです。先に読むとより楽しめます。

 

adaptation-design.hatenablog.com

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常にクラスで最下位だった私にある瞬間に転機が訪れる。夏期講習が終わり、浪人生が通う昼間のコースに入った私は5人しかいないクラスの中で絵を勉強していて、デッサンは少しずつ上手になってきてはいたが、平面構成はてんで駄目だった。

 

そもそもデッサンとは、絵の基本でモノクロの中で光、色、質感、空間、立体感など目で捉えることのできる情報のすべてを表現しなければならない。白黒写真を描けばいいの?と思う人がいるだろうがそれはまるで違う。なぜならデッサンのパースは基本的に二点透視図法で写真は3点透視図法だからである。また細かいディティールの見え方も違う。その瞬間の美味しい光の当たり方やイメージを画面に持ち寄ることができるので、コラージュばりにいいとこどりができるのだ。よくハイパーリアルの絵を写真でいーじゃん。あんなリアルに描いてなんの意味あんの?みたいな奴がいるが、手で描くことの本質を理解していない。とまぁその話は置いておいて、受験においてのデッサンにはいくつか必要な要素があり、空間を把握できているか、光が見えるか、形が取れているか、ディティールが描けているかなど、細かく言えばたくさんあるが、それは受験編で描いていく。

 

それに変わって平面構成とは、色の持つ明度(色の明暗、明るいとか暗いとか…)と彩度(色の濃度、濃いとか薄いとか…)と色相(色そのもの、赤やら青やらetc...)の理解力を問うもので、受験でよく使われる手法として、与えられたモチーフを複数に思いっきりパースをつけて画面に配置し、デッサン上の明度と彩度に合わせながら色を配置し描き分けていく。この平面構成は基本的にデッサンが出来た上でできるものなので、デッサンすらままならない私にできるはずもなかった。正直いうと、この平面構成というものはかなり特殊なもので美大生は理解できるが、普通の人には理解できない代物なのである。このネットでたまたま拾った大学の先輩の画像を見て欲しい。

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これが一般的に私世代のたいてい受験生が描いていた平面構成だ。モチーフが渡され周りが当たり前にこの絵を描き始めた時の私は、カレー屋で隣のインド人集団が手でカレーを掬い始めたくらいに困惑していた。最後までこのテイストの絵が好きになれず描けなかったが、そのことがある奇跡を生むことになる。この絵は絵を理解する上で大事な事なので、美術館にある作品を見ても何が面白いか分からない人はこの絵を技術的に理解することから始めるのをオススメする。

 

月日は流れ10月半ばごろ、夏期講習は同じだが普段は夜のコースに通っている現役生達と昼のコースの浪人生を合わせたコンクールがあった。普段5人しかいない私のクラスの順位はいつも同じで、30人ほどいる現役生を交えたこのコンクールは、2ヶ月で得たスキルがどこまで通用するかを図るいい機会だった。午前3時間がデッサンで、午後3時間の平面構成という受験さながらのスケジュールでコンクールは行われ、最終的に具体的な点数が与えられその順番に並べられる。点数というのは受験本番の点数の方式と同じでそれぞれ150点満点なのだが、だいたい8割の120点を取らないと合格ラインには乗らないと思っていただきたい。コンクールが始まり周りの生徒が100点から何点取れるかを競っている中、デッサンと平面構成を2ヶ月で培った技術を駆使して一生懸命描いていた。

 

時間がきて絵を提出した後、部屋から生徒は追い出され先生が壁に絵を点数順に並べていく。そしてデッサンの講評が始まり教室に入り壁に並べられた自分の絵を探すのだが、私の定位置であった右下にないではないか!それでも結果的に1番下の段には変わらなかったがそれでも自分より下が数人いたことが、少しは上手くなっているんだという実感に繋がっていた。そして平面構成の講評。自分の絵を探すとまた右下には見当たらない。1番下の段にもなかったので、講評すらされていないのか…と落胆しているとなんと3段ある棚の1番上の段に自分の作品があるではないか!それまで100点に手が届かないくらいの実力だった私がついに115点という数字をもらったのだ!そして平面構成の攻略の仕方を閃き、私の快進撃が始まる。

 

この続きはまた今度。

 

次のイントロダクションはこちらです

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