ADAPTATION DESIGN

僕の提唱する「ADAPTATION DESIGN」に肉付けするための教養のブログ。という趣味を全面的に肯定するために始めたただの暇つぶし

Column: Movie's plants「Guardians of the Galaxy」

No.36 さて、今回は趣向を変えた映画に見る植物をやっていきたいと思います。マーベル映画の中で1番好きな映画が「Guardians of the Galaxy」で、美術から音楽、設定にテーマ、ストーリー運び、カット割り、キャラクター、それらの要素がすべて噛み合っている素晴らしいスペースオペラで、ものすごく完成度が高いです。たとえ音楽のことが分からなくても、マーベルのバックグラウンドが分からなくても気軽に楽しめるので、マーベルの入門としては最適な作品だと思います。作品の感想を書き連ねるといつまでたっても本題に入れないので、この熱い思いはまたの機会に披露できたらと思います。

 

さて、この映画を鑑賞したことがある人はもうお分かりだと思いますが今回紹介するのは「Groot(グルート)」です。まだ観たことない人からしたらなにがなにか分からないと思うので、とりあえず彼の姿を見てください。

 

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なぜ選んだかお分かりいただけたでしょうか。

 

「Groot(グルート)」は別名「Monarch of planet X(モナーク・オブ・プラネットX)」と呼ばれ、Planet Xの首都Flora Colossusの出身のFlora colossusという種族の植物型ヒューマノイドです。マーベルコミックスが出版するコミックス「Tales to Astonish No.13」に初めて知性を持つ木として実験用に地球人を捕獲する悪役として初登場しましたが、のちにガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの一員になります。グルートは木を食べ物として取り込みそれによって自分自身を再構築し力を増強する能力を持っています。とてもパワーがあり、木をコントロールし伸ばしたり固めることで攻撃に使い、また火に抵抗するほどの密度があります。再生能力も優れており、欠損した部分から体全体にいたるまで再生することが可能で、殺害されても小枝が残っていれば再成長して復活することができます。第2作では第1作で仲間を守る自己犠牲の果てに肉体を失ってしまいますが、残ったその欠片から命を繋ぎ小さな姿として生き残りました。

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こちらが小さくなったBabyグルートです。

グルートは基本的に「I am Groot」としか話すことができません。しかし長年一緒にいるメンバーの何人かはそのニュアンスを理解することができ会話することが可能です。グルートは古代から続くエリートの家系で高水準の教育を受けいて、工学の知識も備えています。初期の漫画に出てきた時は木に顔が付いている「エント」や「トレント」のような造形をしていましたが、話が進むに連れてヒューマノイド型になっていきました。

 

今回は「Guardians of the Galaxy:Vol.2」の1シーンを取り上げてみたいと思います。基本的にグルートはロケット・ラクーンと呼ばれる遺伝子改造されたアライグマと共に行動しています。ロケットは「I am groot」としか話せないグルートの言葉に秘められた意味をすべて理解でき、映画の中で交わされる二人の会話はとても面白くグルートの話す言葉に対するロケットの反応でのみ私達に意味が伝達されます。しかし、この言葉の制約があることが私たちに想像の余白を与え、シーンによって爆笑や感動を誘うのです。映画の中にこんな会話があります。

 

Baby Groot: I am Groot.
Yondu: What's that?
Rocket: He says, "Welcome to the freakin' Guardians of the Galaxy!" Only he didn't use "freakin'".

ベイビーグルート:僕はグルート

ヨンドゥ:なんだって?

ロケット:「クソ・ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーへようこそ」…もっと汚い言葉だった

 

これは主人公ピーター・クイルが自分の親である神エゴと決別すべく戦闘している最終局面の中で交わされるヨンドゥーとロケット、グルートの会話です。もともとガーディアンズ・オブ・ギャラクシーと敵対関係にあったヨンドゥーは、ピーターを地球から攫い育ててきた親のような存在で、いままでのピーターに対し行ってきた仕打ちを後悔していて、ここで自分の命を懸けて彼を救おうと覚悟していました。爆発する星から脱出すべく、ロケットは一緒に逃げようとヨンドゥーに持ち掛けますがピーターを待つと断られてしまいます。その後しばらく間があったのちに小さなグルートは「I am Groot」と言います。ここにはいろいろな意味が込められていると思いますが、ロケットはヨンドゥーの確固たる決意を尊重し「クソ・ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーへようこそ」と訳し、仲間であると認めたのでした。直後に「We're gonna need a little discussion about your language.」とロケットがグルートに注意するシーンがあるので本当はもっと言葉遣いが荒かったのでしょうが、その前に自分の束ねていた窃盗団ラベジャーズの船員に裏切られ仲間をすべて失ってしまっていたヨンドゥーに掛ける言葉として最高の一言であったことには間違いありません。

 

グルートは作品の全体を通して見せ場の多いキャラクターで、ストーリーに緩急をつける大事な役割を果たしています。可愛さ、面白さ、強さ、ひたむきさを兼ね備えていてその存在は映画を見る人を魅了します。まだ映画を観たことがない方はこれを機会に見ることをおススメします。

 

近年、植物に意思や感情があるという研究が進められています。もしかしたら植物と意思の疎通を取れる時代が来るかもしれません。しかし、彼らの発する信号は人間にとって単一に見えるかもしれませんが、グルートのようにそこには様々な意味が内包している可能性を考慮しないといけません。人間は今まで植物に意思や感情がない自分より劣った存在であると思ってきました。そんな人間がやっとの思いで最初に読み取る植物からのメッセージが「やっと分かったかのか、くそ野郎」であって欲しいと思う自分がいます。

 

 

 

 

 他のColumn: Movie's plantsはこちらです。

adaptation-design.hatenablog.com

 

 

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