ADAPTATION DESIGN

僕の提唱する「ADAPTATION DESIGN」に肉付けするための教養のブログ。という趣味を全面的に肯定するために始めたただの暇つぶし

Column: Movie's plants「LEON」

No.19 映画に出てくる植物を調べてみるシリーズをやってみます。映画と植物といえばいくつか思いつくのですが特に効果的に使われていた印象の映画「LEON」から始めていきます。

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「LEON」はニューヨークを舞台に、凄腕の殺し屋と家族を殺された少女との心の交流を描いた、リュック・ベッソン監督によるスタイリッシュ・アクションです。あまりにも有名なのであらすじは省略します。この映画では主人公の殺し屋であるレオンが唯一の友達としてある観葉植物を一日欠かさず世話しています。アパートからホテルへ移動する際にも武器と鉢植えを抱え一緒行動をしているシーンや、窓を開けてベランダに置くシーンがとても印象的で、マチルダもそのルーティーンを一緒に行います。そんな中で植物の世話をするレオンを見守るマチルダのこんなシーンがあります。

 

Mathilda: You love your plant, don't you?

Leon: It's my best friend. Always happy, no questions. It's like me, you see? No roots.

Mathilda: If you really love it you should plant it in the middle of a park so it can have roots.

Leon: Yeah.

Mathilda:I'm the one you should be watering if you want me to grow.

 

マチルダ「大事なの?その植物。」

レオン「最高の友さ、無口なのがいい、俺と同じで根がない」

マチルダ「大地に植えれば根を生やすわ」

レオン「そうだな」

マチルダ「私もその鉢植えと同じね」

 

と束の間の平和を楽しむ二人の会話なのですが、この些細な会話が最後に涙腺を決壊させる伏線になっているとはこの時は知りませんでした。ここから時間は立ち、悪役スタンスフィールドの特殊部隊によって2人は追い詰められてしまいます。絶望的な状況の中、唯一の友達である観葉植物をマチルダに持たせ自分は通ることのできない通気口から逃がそうとしますが一人で逃げるのが嫌なマチルダはレオンの言うことを聞きません。レオンは「俺一人なら何とか逃げる手はある」と説得します。その後に交わされる会話がこちらです。

 

Mathilda:  I don't wanna lose you, Leon.

Leon: You're not going to lose me. You've given me a taste for life. I wanna be happy. Sleep in a bed, have roots. And you'll never be alone again, Mathilda. Please, go now, baby, go. Calm down, go now, go.I'lI see you at Tony's.I'm gonna clean them all.Tony's in an hour.I love you, Mathilda.

Mathilda:I love you too, Leon.

マチルダ「死ぬ気なの?」

レオン「君は俺に生きる望みをくれた。大地に根を張って暮らしたい。独りにはしないよ。頼むから行ってくれ。大丈夫、行くんだ。行って。トニーの店で1時間後に会おう。愛してる、マチルダ」

マチルダ「私もよ、レオン」

 

そう言い合うと、マチルダは通気口を降り逃げ出します。映画を観た方なら分かると思いますが、レオンはこの望みを叶えることはできませんでした。しかし、今まで孤独に仕事をこなすだけの人生が、マチルダに出会ったことで幸せに根を張って行きたいと渇望するようになっていました。この後、レオンはあと一歩というところでスタンスフィールドに邪魔をされ、身体を張ってマチルダを守ります。マチルダはトニーにレオンが死んだことを聞き、独り厚生施設へと入ります。その施設の庭の真ん中にレオンの親友である観葉植物を植えてこう言います。

 

Mathilda: I think we'll be OK here, Leon.

 

このセリフを言い終わると同時にSTINGの「Shape Of My Heart」が流れる訳ですが、一つの観葉植物が「孤独」という意味から「繋がり」へと変わるこのシナリオは見事としか言えません。庭に植えられた観葉植物はレオンがカタルシスを得た象徴になっており、同時にマチルダも一つ孤独を乗り越えるきっかけになります。曲の歌詞で「I know that the spades are the swords of a soldier(スペードは戦士の剣). I know that the clubs are weapons of war(クラブは戦うための武器). I know that diamonds mean money for this art(ダイヤは金を意味する). But that's not the shape of my heart(が、これは私の真意ではない). That's not the shape, the shape of my heart(これは私の真意ではない)」というものがあります。これはまさにレオンの生きざまそのもので、That's not the shape, the shape of my heartと繰り返される歌詞がマチルダとの繋がりの中でカタルシスを得たレオンの魂の叫びのように聞こえます。

 

レオンが親友としていた植物ですが、「Aglaonema nitidum curtisii(アグラオネマ ニティドゥーム カーティシー)」と言いまして、葉に白い模様が入っているのが特徴的な植物です。また別の機会に詳しく調べていきたいと思います。最後に、マチルダが庭に植えていてとても感動的なシーンなのですが、アグラオネマという種類は基本的に熱帯雨林原産なので直射日光には向いていないので、レオンの為にも早いところ日陰に植え替えて欲しいと、情緒もなにもない感想をこの間見ていて思ってしまいました。

 

 

他のColumn Movie's plantsはこちらです。

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レオン 完全版 (字幕版)

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