ADAPTATION DESIGN

東京藝術大学の大学院生と武蔵野美術大学の教務補助の二足の草鞋を履く男のブログ

Columu「Farmers Marketsは夢の中の夢?」

No.13 7/29に前から友達にオススメをされていた青山Farmers Merkets に行って来た時のコラムです。この文章は肉付の練習でもあります。

 

farmersmarkets.jp

 

この日は昼過ぎまでゴロゴロしながら映画鑑賞(Inception/2010)で夢と現実の境目を行ったり来たりしていました。パトナムの「水槽の脳」やカント、デカルトのシミュレーション仮説を振り返りながら、マルコビッチの穴やパーフェクトブルー、マトリックスなどの他の映画と擦り合わせを頭の中で行なっていました。ふと、窓際に干しているドライフラワー越しに天気がいいことに気づき、友達におすすめされてたFarmers Marketsに行ってみようと映画の振り返りを途中でやめて家を出ました。その日は珍しく自分のデザイン論に少し進展があり(後日まとめて記事にしたいと思います)、ぽかぽか陽気もあいまって普段引きこもって読書や魚と植物の観察ばかりしているインドアな私の足取りはとても軽く、ルンルン気分で渋谷駅から会場である国際連合大学を目指しました。青山通りに差し掛かったくらいから聞こえてくる賑々しい音に期待感も高まっていて、見えてきた安藤忠雄の彫刻に挨拶して意気揚々とマルシェへ足を踏み入れました。

 

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Farmars Market sのコンセプトは「Culture(文化)の語源は Cultivate(農耕)ということから、自然と社会の接点を作り出し新たな文化を生み出すこと」です。なので有機野菜、ジャム、花屋、中には塊根植物やコウモリランを専門に扱うお店もあり、多様性のある空間がそこには展開されていて、新鮮でとても不思議な感覚になりました。広間の真ん中でDJがイケてる音楽をノリノリで流していたのもこの感覚にツイストを加えた大きな要因だと思います。丁度このFarmers Marketsを教えてくれた友達に会場で会うことができて一緒に回っていたのですが、美大出身の私達はこのクリエイティブな空間にふつふつと参加したいと思い始めてて、次の回に出せたら出してみよう!と淡い夢を描いていました。「もし出すならプランターだよね」と意見も一致したことも、お互いプランターのデザインに前から興味があったことが大きなきっかけで、植物を植えることへのアプローチを見直しながら素材感のあるものを作ろうと密かに計画を練ることになりました。またできたら報告します。

 

結論、Farmers Markets は青山という立地の良さに加え、現実に多くの人が植物に関心があり植物を通じて交流しているとても刺激的な現場で、頭でっかちになりがちな生活の私に様々なアイディアを与えてくれるものでした。普段、1人で読み漁っている本や観察に通じて得られる植物の知識とは違う、集団によるグルーブ(夢の共有)が行われていました。僕もこの体験を通じて他人の夢を共有しアイディアを植え付けられました。次は逆に僕の考える概念をインセプション(アイディアの植え付け)し人を夢の中へ導けたら面白いと思います。