「Myrmecodia Beccarii」
No.3 アリ植物と呼ばれる不思議な植物の紹介になります。
その植物は「Myrmecodia beccarii」ミルメコディア ベッカリーです。和名は「アリノトリデ」といいます。
Myrmecodia属は東南アジアの固有種でギリシャ語のMyrmekodes(アリ)に由来しています。
ミルメコディアはアカネ科の植物で、木に活着する着生植物でアリと共生関係を持ち、成長する過程で植物体の中に天然の空洞をアリの為に用意するとても不思議な植物です。アリは葉っぱを餌にし植物を守ると同時に巣を確保し、植物はアリの排泄物を栄養として吸収されます。
Myrmecodia Beccariiはオーストラリアやニュージーランドに自生しています。「Beccarii」はイタリアの自然学者であるOdoardo Beccariからきています。花は白く、管状で1cmほどの実をつけます。そしてヤドリギハナドリなどの鳥によって遠くに運ばれその活動範囲を広げていきます。また、Hypochrysops apolloと呼ばれるシジミチョウ科の蛾はMyrmecodia Beccariiの上にアリの卵に似た臭いの卵を産み付けることで、蟻はその卵を自分の巣へ運ばせ、その幼虫を育てさせます。巣の中での幼虫とアリの利害関係はまだ分かっていませんが、このような植物と昆虫の関係性はかなり珍しいことです。
春から秋が成長期ということで、水はコンスタントにあげています。気温としては15°以上であれば屋外でも育てることが可能です。また本来、木に活着して自生している為、ヘゴイタなどに着生させてあげたいと思います。見た目としては「Pachypodium saundersii(白馬城)」に少し似ている気がします。アリと共生している様子がわかる動画を見つけたので下にリンクを貼っておきます。