ADAPTATION DESIGN

東京藝術大学の大学院生と武蔵野美術大学の教務補助の二足の草鞋を履く男のブログ

「Operculicarya pachypus」

No.61 塊根植物の中の王様です。

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 「Operculicarya pachypus」オペルクリカリア パプキスです。

 

Operculicarya pachypusはウルシ科オペルカリア属のマダガスカル南西部原産の植物です。樹高は2-5mまで成長し、幹は大きく樽状に円錐形に折れ曲がり樹皮は銀白色で極端な凹凸があります。枝は淡灰色から灰褐色でジグザグに折れ曲がり成長します。葉は奇数羽状複葉で小さな艶のある葉を細かく枝に沿うようにつけます。雄雌異株なので雄株、雌株がないと結実しません。花は黄緑色の2mmほどの小さなものです。ワシントン条約Ⅱ類に指定され採取が禁止されています。

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ついに出会ってしまいました。ヤフオクにてタイミングが良く落札をしましたが、届いたものは少し弱っている様子なので、越冬に加えて少しづつ立ち直らせられればと思います。高価で希少な種類のため調べられることは調べて大切に育てていきたいと思います。

「Aloe saponaria」

No.58 葉に白い斑があるのが特徴です。

「Aloe saponaria」アロエ サポナリア。またの名前をシャボンアロエともいいます。和名では「明鱗錦」といいます。

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Aloeはユリ科アロエ属のことをいい、熱帯地域やアフリカ南部、中近東が原産の多肉植物です。Aloeという名前はアラビア語の「alloeh(苦味のある)」から由来しています。アロエ種の多くは大きく先が尖っている肉厚な葉がロゼット状に展開していて、ほとんどの葉の縁に棘を有しています。また、花は管状の黄、ピンク、赤色などさまざまあり花茎を伸ばし円錐状の花をつけます。

 

Aloe saponariaはアフリカ原産の種類で、軽く反りのある厚い葉は三角に尖って伸びます。葉の表面には白い斑が入り、その縁には短い棘が生えています。春には1mほどの花茎を伸ばし、その先端にオレンジ色の円筒形の花を総状花序でつけていきます。葉の中に含まれる液体が水と合わせると泡立つことから昔は石鹸としても使用されていました。そのことから種小名saponariaはラテン語の「sapo(石鹸)+aria(葉っぱ)」から由来しています。

 

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アロエと言えば子供の頃にやけどしたら果肉を巻けば治ると言われるくらい身近にある植物という記憶があります。実際、街を歩いているといろいろな軒先にアロエがありますが、その姿は野性的でその生命力の強さにほれぼれします。乾燥や寒さに強く、外に出しておけば勝手に成長していきます。強い日光を好み夏の間はたっぷり水をあげることでよく成長します。逆に冬は水をほとんど与えないことで強くしっかりとしたアロエに育てることができます。また増やすことも簡単な手のかからない優秀な植物です。

 

「Euphorbia mammillaris」

No.54 神々しい姿のユーフォルビアです。

 

「Euphorbia mammillaris」ユーフォルビア マミラリスです。和名は「白樺麒麟」や「ミルクトロン」といいます。

 

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Euphorbiaはトウダイクサ科トウダイクサ属の植物です。学名Euphorbiaはギリシャ人医者のEuphorbosに由来しており、Carl von Linné(1707-1778)によって名づけられました。世界中の熱帯から温帯に広く分布し約2000種からなる巨大な属であります。ユーフォルビア属の仲間は毒性のある白い液体を有しており、薬用で使用されていたこともあります。

 

Euphorbia mammillarisの種小名mammillarisはラテン語で「乳頭のある」から由来しています。南アフリカ原産で、白樺の名の通り全体的に白く冬にはピンク色に紅葉します。棘が生えている為、白いサボテンよ間違われることがありますが、サボテンとユーフォルビアは全くの別物で、サボテンが葉を棘に変化させたのに対して、ユーフォルビアは側枝や托葉部分が棘に変化しました。見分け方としては、サボテンの棘の付け根には白い綿に覆われた刺座があります。

 

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緑から白のグラデーションがとてもきれいで購入しました。日光を好み、強い直射日光には弱い種類です。高温や低温にも弱いため、温度管理が必要になります。基本的には頑丈なので一か月水をあげなくても耐えられます。冬になるとピンク色に変わるというのでこれからが楽しみです。

「Cissus tuberosa」

No.51 ブドウ科の蔓が特徴的な塊根植物です。

 

「Cissus tuberosa」シッサス ツベローサです。以前はCissus mexicanaという名前で呼ばれていました。

 

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Cissusはブドウ科セイシカズラ属の常緑性多年生のつる性植物で熱帯から温帯地域に生息していて約300種が見つかっています。Cissusはギリシャ語で「蔦」という意味があります。葉は互生し単葉または複葉で、茎がつる性のものと多肉質になるものがあります。

 

Cissus tuberosaの種小名tuberosaはラテン語の「塊根」から由来していて、その名の通り茎が太く成長することが特徴です。別名のCissus mexicanaからも分かるようにメキシコが原産で主に標高1500mの乾燥地帯にある岩場に生息しています。塊根部は灰色か緑色で20〜30cmにまで成長し、塊根伸びる茎は蔓状で葉はブドウに似た切れ込みが大きく入ったギザギザな葉を展開します。

 

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生命力が凄く、その蔦は夏の時期になると伸び続けるようなので来年が楽しみです。葉も大きく、青々しているのでこれから観察するのが楽しみです。

 

「Tillandsia stricta」

No.48 同じ種類の中でも特に細かい分類分けが多くありその見分け方が難しい種類のエアプランツです。

 

「Tillandsia stricta」チランジア ストリクタです。またの名をCotton Candyとも言います。

 

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Tillandsiaはパイナップル科の中の属名です。スウェーデンの植物学者Elias Tillandz(1640-1693)から由来しています。多年草で着生植物であることの多い植物です。葉の表面を覆う「Trichome(トリコーム)」といった空気中の水分を取り込むための独特の器官があります。trichomeはギリシャ語で「髪」という意味があります。

 

Tillandsia strictaの種小名strictaはラテン語の「strictus(直立)」から由来しており、それはこの植物の形態を表したものです。非常に種類のバリエーションが多く、葉も堅いものから柔らかいものまであり薄くトリコームが全体を覆っています。花は春~夏にかけて青、紫、黄色、ピンクの花を展開します。原産地はトリニダード・トバゴやベネズエラなどの南米で気候や環境に関わらず生育することができます。

 

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Cotton CandyはMark Dimmit氏がTillandsia strictaとTillandsia recurvifoliaを交配したことで生まれました。この組み合わせのことをTillandsia Houstonと呼ぶこともあります。花序が球状で花弁はブラクトが薄いピンクに薄く水色がかったものを付けます。

 

 

他のエアプランツの記事はこちらです。

adaptation-design.hatenablog.com

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「Mimosa pudica」

No.44 触ると葉を順番に閉じていく姿が有名な植物です。

 

「Mimosa pudica」ミモサ プディカです。和名は「オジギソウ」で、ミモザとも呼ばれます。

 

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 Mimosa pudicaはマメ科オジギソウ属の多年草のことをいいます。ラテン語「mime(模倣者)+osa(接尾辞)」から由来しており、古代ギリシャのmimos(ミモス)という他人を真似する劇から来ています。パントマイムはこのmimeから派生したものです。種小名pudicaはラテン語で「内気な」という意味があります。熱帯および亜熱帯地域に生息し世界中に存在します。茎は木質化しており棘があります。葉は偶数2回羽状複葉で、接触や熱、風、振動の刺激に対し接触した部分もしくは葉の先端から1対づつ閉じます。この一連の動作は細胞内の膨圧を変動させることで行われており、似たような運動で夜間になると閉じる就眠運動があります。こちらの動画をご覧ください。

 


Mimosa Pudica - The Sensitive Plant

 

前から欲しかった植物の一つです。なぜなら数年前から植物には「記憶力」があるのではないかと言われており、オジギソウが見せるこの反応の実験で植物の記憶能力が確認された結果があり、とても気になっていました。その実験とは、ある一定の固有振動の刺激を反復して与え続けるというものです。オジギソウは繰り返される刺激に対してしだいに葉を閉じなくなり、その後40日間はその刺激に反応を見せなかったそうです。そしてそれは他の刺激に対しては一切適用されないことから前の刺激を記憶し区別していることが分かります。オジギソウは環境を理解し生きていく上で自分への負担を減らしていたことになります。植物には脳がないと言われていますが、この記憶力はほとんどの昆虫に記憶持続時間よりもはるかに長く、高等動物に匹敵します。まだどのような方法で記憶しているかは解明されていません。

 

www.arkopharma.com

 

植物の持つポテンシャルと可能性は多様性の数だけあると考えています。機能を「拡散」することで植物が得た適応能力から人間は学ばなければいけないことが多く、私たちはより深く感じとり応用する必要があります。今まで私は外部の刺激に対し逃げることができない植物はその状況に対してただ耐えているだけだと思っていましたが、実はその環境で起きる刺激を記憶し、早い周期で巡る命のサイクルの中で受け継ぎ適応していたと知りました。家でオジギソウを眺めているとその能力の高さと美しさにほれぼれとします。少しの刺激に対し過敏に反応する私のオジギソウはどこか名前の通り「内気さ」にあふれた可愛さがあります。